ホテルシェレナの歴史や阪神淡路大震災での被害、耐震構造、建物状況調査について

ホテルシェレナ 復興記録―阪神大震災を経て―

ホテルシェレナ

ホテルシェレナ西館 建物状況調査 要綱書

竹中工務店 2007年10月






<別添1>

各調査項目の内容(下記の内、調査を実施するか否かは、4.調査項目による)

(1)立地状況・建物概要調査

1)概要
対象物件及び周辺の立地状況と、当該建物の概要を調査する。
2)範囲
立地状況は当該建物の地理的状況及び近接建物の状況とする。建物概要は用途、規模、建築年数、建物の使用状況等の把握を行う。
3)方法
建物周辺地図並びに目視により把握・確認する。また、竣工図書により用途、規模、建築年数等を確認し、現地調査により建物の使用状況を把握する。
4)業務に必要な関係書類
(1) 竣工図書(建築図、構造図、設備図)、改修工事図または現況図


(2)建物劣化診断調査

1)概要
対象物件の建物、外構、屋外付属施設の劣化状況を調査し、短期(緊急0年次、1年次)の修繕・更新準備費用、および中期(2年次から先述の「4.調査項目」で定めた年次までの期間)の修繕・更新準備費用を算出する。
2)範囲
a)建物劣化状況調査

b)修繕・更新準備費用の算定
3)方法
a)建物劣化状況調査

劣化診断は竣工図書や各種管理書類による机上調査、現地管理者もしくはその代行者からのインタビュー及び現地調査によって得られた情報をもとに短期及び中期に発生が予測される劣化による不具合の検出、想定を1次診断の範囲で行う。作業手順は以下の通りとする。

(3)診断
(4)修繕・更新時期の判定
b)修繕・更新準備費用の算出

建物劣化状況調査をもとに検出、想定された短期及び中期に発生が予測される修繕・更新が必要なものについて、その準備費用の算出を行う。 作業手順は以下の通りとする。
(1)修繕・更新準備費用の算定
診断により想定される短期の修繕・更新費用の概算、及び中期の更新準備費用の概算を算定する。中期修繕・更新準備費用は、株式会社竹中工務店が開発した簡易見積システムで、材料・部材及び機器ごとに設定した単価により、年次ごとに積算することにより算定を行う。
【1】短期修繕・更新準備費用の算出
 ・調査時点で優先度が高く、緊急(0年次)に最低限修繕・更新すべきであると判断される緊急度の高い劣化による不具合の修繕 ・更新費用、および現時点では特に緊急を要することはないが、1 年次に最低限修繕・更新すべきであると判断される重要度の高い劣化による不具合の修繕・更新費用を算出する。
【2】中期更新準備費用の算出
 ・上記の短期修繕・更新費用を除く今後2 年次から別途定める年次までに発生が予想される劣化に対する更新費用を年度毎に算出する。

4)業務に必要な関係書類

 1.竣工図書(建築図、構造図、設備図)、改修工事図または現況図
 2.修繕・更新履歴
 3.修繕・更新計画
 4.工事代金内訳書(工事請負契約書)
 5.消防査察記録(最新のもの)

5)業務に含まない項目

以下の項目は調査対象外とする。
・構造体(コンクリートの中性化や強度劣化の調査、隠蔽された鉄骨の劣化)
・家具、什器等の建物内付帯設備(作付けの家具、什器を含む。別途指示の場合は実施する。)
・看板、アンテナ等の屋外付帯設備
・設備の駆動を伴う調査
・足場の使用が必要となる範囲の調査、天井内、各種シャフト内及び床下マンホール内などの隠蔽部位の調査


(3)再調達価格の算定
1)概要
   対象物件の外構を含む建築、設備の再調達価格を算定する。
2)範囲
  当該建物と同程度を想定した下記の内容とする。
  ・共通仮設工事、建築工事、電気設備工事、給排水衛生設備工事、空気調和設備工事、昇降機設備工事、外構工事、諸経費等
但し、下記の項目は含まないものとする。
  ・既存建物解体・撤去工事費
  ・テナント 建築・設備工事費
  ・OA対応用 建築・設備工事費
  ・外構工事費(通常の範囲以外の項目)
  ・官公庁指導による工事費増
  ・設計費、広告塔・看板、電気ガス水道引込み負担金
3)方法
当該建物と同程度の建物を想定し、現在の価格にて建築した場合のシミュレーションを行い、地域係数を勘案した工事費想定額を算出する。敷地条件の変更及び用途地域の変更とそれに伴う建ぺい率・容積率の変動等建築に関わる法律の変更並びに行政及び公的機関の要望・指導事項等は考慮しない。

4)業務に必要な関係書類
(1)竣工図書(建築図、構造図、設備図)、改修工事図または現況図
(2) 工事代金内訳書(工事請負契約書)

(4)建物諸状況(遵法性等)調査

1)概要
建物の竣工時点、もしくは届けが必要な工事の完了時点での適法性を判断する。
2)範囲
受領した資料と現地調査の範囲で確認可能な建物の新築工事、届けが必要な増改築工事、用途変更とする。また、所轄消防署からの指導・指摘への対応状況についても調査する。建築、消防関連法規、各自治体の条例の各条項についての確認は実施しない。
3)方法
検査済証のある確認申請図書副本の確認を行なう。別途定める時間内での現地目視調査で判明できる範囲で、当該建物が、受領した確認申請図書副本(受領できなかった場合は竣工図など受領した設計図書)と相違ないか確認する。また、消防検査による指摘事項についてインタビュー及び書類での確認を行う。
4)業務に必要な関係書類
(1)検査済証、確認通知書の写し
(2)申請図書(確認申請書副本)
(3)竣工図書(建築図、構造図、設備図)、改修工事図または現況図
(4)修繕・更新履歴
(5)消防査察記録(最新のもの)

(5)建物耐震性能調査

1)概要
建物の耐震性能を概略的に調査する。
2)範囲
本体建物の構造材のみとし、非構造材や本体に付帯する広告塔の架構構造材及び外構の付属建物、工作物は含めない。
3)方法
日本建築防災協会にて定められた指針等をもとに株式会社竹中工務店独自の方法で診断する。設計図書、構造計算書、構造評定書等により建物の構造的性能及び特性を分析する。
4)業務に必要な関係書類
(1)竣工図書(建築図、構造図、設備図)、改修工事図または現況図
(2) 構造計算書又は構造評定資料

(6)地震による予想最大損失率(PML)の算定

 1)概要
本建物の立地に関し、過去の地震履歴を基に一定期間に発生が予想される最大級の地震と活断層の有無、当該地盤の性能等をベースに建物の耐震性能を考慮し、想定期間内における最大級の地震災害による建物の損傷確率を算定する。
 2)範囲
建築物の構造体本体及びこれに付帯する仕上材や建築設備とする。但し、地震に伴い発生する火災、高潮、周辺建物の火災・倒壊等による被害は含めないものとする。
 3)方法
対象物件の建物が立地する地域における過去の地震活動状況と地盤種別などから建物に作用する地震力を推定し、耐震調査で求められた建物の耐震性能から、株式会社竹中工務店独自の方法で、想定期間内における建物の損傷確率を算定する。この損傷確率から今後50年間において10%の超過確率を有する復旧費用を算定し、建設コスト(現時点における再調達価格)との比率をもって地震による予想最大損失率(PML)を算定する。
 4)業務に必要な関係書類
  (1)竣工図書(建築図、構造図、設備図)、改修工事図または現況図
  (2) 構造計算書又は構造評定資料
  (3) 地質図

(7)地震による営業中断日数(BI)の算定

 1)概要
  想定期間内における最大級の地震災害による建物の営業中断日数を算定する。
 2)範囲
  建築物の構造体本体及びこれに付帯する仕上材や建築設備に関する被災の復旧にともない建物の営業、使用が再開できるまでの日数とする。但し、地震に伴い発生する火災、高潮、周辺建物の火災・倒壊、都市インフラストラクチャーの被害等による影響は含
めないものとする。
 3)方法
地震による予想最大損失率(PML)における対象建物の被害について、建物が通常
の機能を発揮し営業が再開可能な状態まで復旧するための工事の期間を検討する。
4)業務に必要な関係書類
 (1)竣工図書(建築図、構造図、設備図)、改修工事図または現況図
 (2) 構造計算書又は構造評定資料
 (3) 地質図

(8)ポートフォリオPMLの算定

 1)概要
 対象物件が複数棟の場合、地域分散よるリスク分散を考慮した想定期間内における地震災害による建物の損傷確率を算定する。
 2)範囲
 建築物の構造体本体及びこれに付帯する仕上材や建築設備とする。但し、地震に伴い発生する火災、高潮、周辺建物の火災・倒壊等による被害は含めないものとする。
 3)方法
 各対象物件の地震による予想最大損失率(PML)をもとに、対象物件複数棟の地域分散によるリスク分散を考慮し、株式会社竹中工務店独自の方法で、想定期間内における建物の損傷確率を算定する。
 4)業務に必要な関係書類
  (1)竣工図書(建築図、構造図、設備図)、改修工事図または現況図
  (2) 構造計算書又は構造評定資料
  (3) 地質図

(9)建物有害物質調査

  1)概要
   建物内に用いられている吹付材に含まれるアスベスト及びトランス内に含有しているPCBの有無等について調査する。
  2)範囲
   アスベスト:コンクリート面に吹き付けられた吸音材及び断熱材、鉄骨耐火被覆PCB :電気室に置かれるトランス内のコンデンサーや蛍光灯のコンデンサー等
  3)方法
アスベストについては、原則として竣工図書(建築図)により含有を判定するが、竣工時期により含有の可能性がある場合には現地材料採取を行い、顕微鏡及びX線分析を行う。
PCBについては、環境庁の「PCB廃棄物の適正な処理の推進に間する特別措置法」による知事への届出の有無を確認する。この届出書をもとに現地踏査時に目視にてPCBの保管場所を確認する。
  4)業務に必要な関係書類
   (1)竣工図書(建築図、構造図、設備図)、改修工事図または現況図
   (2) 工事代金内訳書(工事請負契約書)

(10)土壌環境調査


 1)概要
  対象不動産及びその周辺の土壌における有害物質存在の可能性を調査する。
 2)範囲
  有害物質は環境庁が定める水銀・鉛等重金属類、ポリ塩化ビフェニル(以下PCB)、トリクロロエチレン等揮発性有機化合物(平成3年8月23日環境庁告示第46号による)とする。
 3)方法
過去の航空写真、古地図、登記簿謄本、インタビューにより、土地利用履歴を調査し、過去に工場等による生産活動やクリーニング店など有害物質を使用した履歴の有無を把握する。また、地形図もしくは地質関係図書から、周辺からの波及による汚染の可能
性を調査する。
 4)業務に必要な関係書類
  (1)竣工図書(建築図、構造図、設備図)、改修工事図または現況図
  (2) 古地図
  (3) 航空写真
  (4) 登記簿謄本
  (5) 地質図
  (6) 地形図
  (7)環境影響評価報告書(環境アセスメントを実施した場合)


(11)建物耐用年数の検討
1)概要
建物の残存耐用年数を判断する。
2)方法
法的耐用年数として建物の減価償却資産の耐用年数として定められている機械及び装置以外の有形減価償却資産の耐用年数から残存年数を判断する。また物理的耐用年数として、鉄筋コンクリート造及び鉄骨鉄筋コンクリート造については、設備機器の修繕更新が適切に実施されているという前提でコンクリートの耐用年数から、鉄骨造についてはそれと同等以上として、残存年数を判断する。
なお既往調査報告書が有る場合にはその検証も実施する。
3)業務に必要な関係書類
(1)竣工図書(建築図、構造図、設備図)、改修工事図または現況図